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ヨガ初心者のための八支則:勧戒の知足

ヨガの基礎知識
串本先生
串本先生

では今回は勧戒の知足について解説していこう!

ヨガシカくん
ヨガシカくん

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あなたは現在の生活に不満はありますか?

労働環境や家庭環境、友人関係など人によって取り巻く環境は変わりますがそれに対し満足なのか?不満なのか?どうでしょうか。

人は他人と比べることで自分の優劣を決めがちです。

あの人は幸せそうだ。

あの人は裕福な生活をしているな。

それは他人を比べることで出てしまう感情です。でも本当に大事なのは他人と比べることではなく自分と対話をすることです。

自分の価値観をしっかり見出せば自ずと自分が何に満足できるのかわかるはずだからです。そうすれば現状に対する不満は無くなり、変な欲求も出なくなります。

今の現状に満足する。

今の現状から自分の価値観を再認識する。

このように今の現状を見極め、自分の本当に大切なものを見出す心を「知足」と言います。今回はこの「知足」について解説します。

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今の現状に満足する知足

この「知足」という言葉は禅語から来ています。 京都の龍安寺には「吾唯足知」(吾れ唯だ足るを知る)と彫られた蹲踞(つくばい)があるのは有名ですよね。

テレビでグルメ番組をしているとします。 グルメ番組なので高級料亭の料理を紹介しているでしょう。それを見てみなさんは

「この料理美味しそうだな…食べたいな…」

と思うでしょう。 テレビの制作会社からしたら視聴者にそう思わせるように番組を制作しているのでそう思って当然です。 それがプロの仕事ですからね。

テレビを見てその高級料亭を食べたくなったら贅沢するために仕事を頑張るでしょう。 そして、コツコツ貯めたお金を使ってその料理をいただく…

これはひとつの目標に向かって頑張っているので別に悪くはないと思います。

でも、知足の心があれば考え方が少し変わってきます。 現状を見極めることができるのであれば

「ここの高級料亭で料理を食べたいな。でも、自分は大切な家族と普段通りに食事をすることだけで十分幸せなんだ。」

と考えることができます。

大切なのは不満を抱いたり執着することなく今の現状に満足することです。 それができてない場合、あれも欲しいこれも欲しい、あれがしたいこれがしたいと執着する感情が芽生えてきます。

最悪、他の人に対しての当たりが強くなり争いごとになりかねません。 もしくは満足できないが故に不安を感じる人もいるでしょう。

知足の心があれば物事に執着することを忘れ、満足できないことの不安や焦りも無くなるでしょう。

現在、ヨガをされている人の中で身体が硬いことに対して焦りや不安を感じている人もいると思います。身体が硬いとできないポーズもありますから当然です。でも、考え方次第では

「今は身体が硬くてできるアーサナは少ないけど自分にはまだまだ進歩するゆとりがあるんだな」

「焦らず自分のペースでやればいつか身体も変わってくるはず。今のこの状態から変わっていく自分を楽しもう」

というような感じになります。 考え次第では現状に満足できるのです。

知足は「向上心が無い」ではない

でも中には「現状に満足するって向上心が無いだけじゃね?」と思う方もいるでしょう。しかし、知足の考え方はそうではありません。

「足るを知る」というのは、「今自分が持っているものの価値を再認識すること」です。持っている物は別に財産だけではありません。社会的な環境、人間関係、自身の健康などの目には見えない物も含まれています。

私たちはそれらの見えない恩恵の中に生きていることを自覚しなければなりません。この事実を忘れ、さらに欲張りになり、不足感を感じる人は、いつまでも心が満たされず、幸福を感じることが難しいでしょう。

知足とは現在に感謝し、目の前の幸せに気付くことは、次なる成長への意欲を高めることとも言えます。現状に感謝することで前向きに努力する向上心となるのです。

まとめ

今回は勧戒の知足について解説しました。 個人的に非常に好きな言葉です。

まずは今に実は十分に満足できることを知り、不満を抱くことがないようにする。 言葉にすれば簡単ですけど実際にしようと思うと難しいんです。

でも、そこがこの言葉の良いところですよね。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
現在、広島市内の整形外科で勤務。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています

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