先生!ヨガをする時に指で丸を作ったりするけどあれは何ですか?
ムドラーのことだね!ムドラーを知るとレッスンの心掛けも変わってくるよ!
では、ヨガの瞑想もしくは坐禅を組んでいる人を思い浮かんでみてください。恐らく足の組み方は安楽坐、蓮華坐でしょうか。そして、手の形はどうでしょう。親指と人差し指をくっつけて輪を作っていたり、手を合わせたりしていませんか?
このハンドサインのことをムドラーと呼びます。
瞑想や坐禅をイメージした時の象徴ともいえるこのムドラー。ムドラーを知ることでヨガの世界観が見えてきます。
ムドラーとは
ムドラーは、ヨガの哲学と実践を体現する手段として、身体、心、そして魂の統合を促進する役割を果たします。簡単に言うと心と身体を繋がる役割があると思ってもらえたらいいでしょう。
手で形成されるムドラーは、古代のヨギたちによってヨガの境地を得るための手法として重要視され、現代まで受け継がれています。
ヨガの視点では、身体は魂の器であり、手の動きは心の状態に反映されると言われています。手の指を特定の形に組むことで、プラーナの流れを整え、エネルギーの調和をもたらし身体と心の一体感を深めていくと考えていました。このような手のポーズを通じて、ヨガ実践者はヨガの最終境地を目指しています。
ムドラーの種類
このムドラーの種類は多く100種類はあると言われています。今回はそれらの中からいくつか紹介したいと思います。
チン・ムドラー
チンムドラーは、親指と人差し指を触れて輪を作り、他の指3本は真っすぐ伸ばしたムドラーです。親指は宇宙や自然、神を意味し、人差し指は自我を意味し、このムドラーを行うことで、宇宙や自然と自分が同じになれるのです。僕のレッスンでも呼吸の確認時に行うムドラーで親しみのあるムドラーです。
アンジャリ・ムドラー
アンジャリ・ムドラーは手のひら同士を合わせるムドラーです。語源はサンスクリット語の「捧げる」から来ています。いわゆる合掌ですね。
インドの挨拶である「ナマステ」は敬意を意味する「ナマス」とあなたという意味の「テー」からなっています。なので相手に敬意を示しているサインと言えます。
また、インドでは古来より右手が「清浄な手」、左手が「不浄な手」とされてきました。
「清浄」、「不浄」とされる左右の掌を合わせる合掌は、これらの区別を無くし全てを調和する、信頼や平和を意味する姿ともいわれています。
日本ではご飯をいただく前の「いただきます」、ご飯をいただいた後の「ごちそうさま」で合掌をしますね。これは、生命に対する敬意や感謝の意味があります。
ディヤーナ・ムドラー
ディヤーナ・ムドラーは坐禅では法界定印(ほっないじょういん)と呼びます。
サインとしては手の平を上に向け、右手を下、左手を上にして重ね、両手の親指の先端はかすかに触れる程度に軽く触れます。この時、両手で楕円形を作ることがポイントです。
「この世の全てと一体化し、心を落ち着かせる」という意味があるそうです。
まとめ
今回はヨガで行われるハンドサイン「ムドラー」について意味や種類を紹介しました。
ムドラーの意味がわかればレッスン時のムドラーをする時の心構えが変わってくるとおもいます。
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