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理学療法士・柔道整復師・鍼灸師がヨガを学ぶ3つのメリット

ヨガ指導者向け
ヨガシカくん
ヨガシカくん

先生!国家資格所有のセラピストがヨガを学ぶことでどのようなメリットがありますか?

串本先生
串本先生

セラピストがヨガを学ぶことには色々なメリットがあります!

近年、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師といった医療従事者が、自分の専門分野に加えて他の資格を取得し、活動の幅を広げているケースが増えています。中でもピラティスの資格を取得する例が目立っていますが、これはピラティスがもともとリハビリ目的で考案されたメソッドであり、リハビリ業務に携わるセラピストたちにとって自然な選択であるからでしょう。

しかし、ピラティスとヨガの両方を学んだ立場から言わせてもらうと、ヨガも医療資格を持つセラピストにとって非常に有益な資格であり、もっと注目されてもよいと感じています。ヨガは単に体を動かすだけでなく、呼吸法や瞑想などの心の安定を図る要素も含まれており、患者の全体的な健康向上に介入することができます。

そこで今回は、これから何か資格を取得したいと考えている理学療法士、柔道整復師、鍼灸師の皆さんに向けて、ヨガの資格を取得するメリットを解説します。

運動療法のバリエーションが増える

ヨガの資格を取得することで、シンプルに運動療法のバリエーションが広がります。ピラティスと同様に、ヨガも慢性的な腰痛や肩こり、膝の痛みなど、体の使い方に問題がある患者に非常に効果的です。ヨガのポーズを指導することで患者の身体の柔軟性を改善し、動きの根本的な修正を促すことで、日常生活での不快感を軽減することができます。

特に、ヨガのポーズには身体全体を使うものが多く、筋力と柔軟性を同時に鍛えることができる点が魅力です。セラピストとして、これらの動きを患者に指導することで、患者自身が自分の体をコントロールし、良い姿勢の保持や動作パターンを身に付けるサポートができるようになります。これにより、治療の一環として患者が積極的に自分の健康に取り組む習慣も指導することが可能です。

ピラティスとの違いとして、ヨガはマット1枚あればどこでもできるという利便性があります。ピラティスはリフォーマーなどの専用機器を使ったアプローチが強みですが、設備がない環境ではその恩恵を受けることができません。ヨガであれば、その場ですぐに実践できるため、特に家庭や外出先でも患者にセルフケアとして取り入れやすい点が大きなメリットです。

徒手療法の質が上がる

ヨガを学ぶ過程で、セラピスト自身が多くのポーズを経験します。この時、自分の体で筋肉の伸び具合や関節の動きを感じ取ることで、身体感覚が研ぎ澄まされていきます。この感覚の向上は、徒手療法において非常に重要だと僕自身考えています。

また、徒手療法ではセラピストのポジショニングが結果を大きく左右します。これはどの職業でもそうですが、例えば、物作り職人の方の作業時の姿勢ってとても綺麗ですよね。良い仕事をするためには良い仕事をするための姿勢、ポジショニングが大事です。

適切なポジショニングは、効果的な治療を行うために欠かせない要素であり、これが不適切なポジショニングだと治療の効果が減少することもあります。ヨガのポーズを通じて、自分の体の機能を高めることで、より正確なポジショニングを理解し、実践できるようになります。

ヨガでは体幹の強化や柔軟性の向上が重要な要素となるため、セラピスト自身がポーズを習得することで、体幹の安定を意識しながら治療を行うことが可能となります。体幹を安定させると余計な力を入れずにアプローチできるようになるのでセラピスト自身の疲労具合もかなり変わります。

身体の機能面以外の指導が可能になる

リハビリの現場では、通常、患者の身体的な機能や環境面に着目して治療が行われます。しかし、患者の全体的な健康を改善するためには、身体だけでなく、心のケアや生活習慣の見直しも重要です。わかりやすい例が自律神経系への介入です。

ヨガを学ぶことで、セラピストは患者に対して心身両面からアプローチできるようになります。たとえば、ヨガ哲学には「八支則」と呼ばれる教えがあり、これは心身のバランスを整えるための指針を教えています。

これを患者の生活に応用することで、心の安定やストレスマネジメントをサポートできるようになります。特に、長期間にわたるリハビリでは、患者がモチベーションを保ち続けることが難しいこともありますが、ヨガの実践を通じて心のケアを行うことで、治療の継続を支援できます。

さらに、ヨガの呼吸法や瞑想は、リハビリ中の患者の精神的な安定を助けるアプローチとしても非常に有効です。これにより、身体的なリハビリだけでなく、患者のメンタルヘルスにもアプローチすることができるのです。特に、ストレスや不安を抱える患者に対して、ヨガの呼吸法やリラックス法を取り入れることで、心身のリラックスを促し、症状の改善効果が期待できます。

まとめ

ヨガの資格を取得することで、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師は、運動療法のバリエーションを増やし、徒手療法の質を高め、さらに患者の心身両面にアプローチできるようになります。これにより、より総合的で効果的な治療を提供でき、患者の健康改善に大きく貢献できるでしょう。ヨガの知識と技術を活かして、次のステップへと進んでみてはいかがでしょうか。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
現在、広島市内の整形外科で勤務。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています

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