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ヨガ初心者に伝えたい「ヨガの呼吸」の奥深さと効果

ヨガの基礎知識
ヨガシカくん
ヨガシカくん

先生!ヨガって呼吸をすごく大事にするイメージがあるのですが、実際には呼吸にはどのような効果があるのですか?

串本先生
串本先生

呼吸は生きるために必要な機能だけど、それ以外にもとても重要な役割があるんだ!

ヨガシカくん
ヨガシカくん

酸素を取り入れて二酸化炭素を出す以外の役割があるということですね!

串本先生
串本先生

そういうこと!今回は呼吸の役割について解説していこう!

呼吸の目的として一般的に挙げられるのは、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出するガス交換です。これは小学校のレベルでも習うような、誰もが知っている知識です。

しかし、機能解剖的な観点から見ると、呼吸にはガス交換の他にもさまざまな役割があります。

腹圧を高めて姿勢の安定化

腹圧を高めて姿勢の安定化

良質な呼吸ができると良い姿勢を保つことができます。なぜなら、呼吸は『横隔膜』を使用して行われるからです。と言っても一般の方にはよくわからないと思うので解説していきます。

この横隔膜は胸郭の下部(みぞおちあたり)に付着しており、息を吸うときに横隔膜が収縮して胸郭を膨らませます。それによって空気が体内に取り込まれ逆に横隔膜が弛緩することで胸郭が収縮し、体内から空気が押し出されます。

この時、横隔膜を使って空気を出し入れする時にお腹に圧がかかります。この圧は「腹圧」と言うのですが、腹圧がしっかり入ることで体幹が安定してきます。

イメージするならバランスボールです。バランスボールは空気が入り、圧がかかることで座ってもへしゃげることはありません。しかし、空気が入ってなくてへしゃげた状態だと上手く座れませんよね?

それと同じで腹圧が入ることで体幹が安定して良い姿勢が保てるのです。

良い呼吸ができると良い姿勢が作れる。逆に悪い姿勢だと良い呼吸ができません。

例えば、背中を丸めた姿勢と姿勢を正した状態で大きく息を吸ってみてください。背中を丸めた姿勢では、思ったよりも空気が吸えないと感じるでしょう。これは脊柱が屈曲位にあると横隔膜が機能せず、胸郭を上手く膨らませることが難しいからです。腹圧もしっかり入れれないということです。

つまり、良い呼吸が良い姿勢を作るし、良い姿勢が良い呼吸を作ってくれるわけですね。

呼吸との連動で脊柱の動きを促通

呼吸との連動で脊柱の動きを促通

これは実際に試してみると体験できます。楽に座るか立ってみてください。姿勢が整ったら大きく深呼吸をしてみましょう。

息を吸うときは体を大きく伸ばし、息を吐くときは体を丸めるようにするでしょう。

これが呼吸と脊柱の連動しているということです。意図的に息を吸うときに体を丸め、息を吐くときに体を伸ばすと、違和感が生じますね。実は、私たちは無意識に、呼吸と脊柱の動きを連動させながら、効率的に呼吸しています。

このメカニズムはヨガの実践において非常に重要です。

例えば、長座前屈のポーズを行う際、「体をしっかり曲げたい」と思うなら、息をしっかり吐きながら体を曲げてみてください。逆に、三日月のポーズのように「体をしっかり伸ばしたい」と思う場合、息を吸いながら伸ばすと、ポーズを効果的に行うことができます。

このメカニズムを応用することで、ケガを予防するのにも役立ちます。先ほどの三日月のポーズを行う際、体を反らすと腰が痛くなる人が、息を吐きながら行うことで、腰を過度に反らすのを防ぐことができます。

こうしたアプローチを用いることで、ヨガ初心者でも安全にポーズを実践できるようになります。

呼吸は唯一無二の自律神経調整方法

呼吸は唯一無二の自律神経調整方法

自律神経は一般的に緊張、リラックスする時に働くと表現されます。(こちらの記事で書きました→ヨガで身体が柔らかくなる理由は自律神経にあり!詳しく解説!

例えば、何かの試験や発表会の直前では心が緊張して呼吸が速くなります。これは緊張する時に働く交感神経が働くからです。一方、親しい人との会話や好きな曲を聴いていると、心はリラックスし、呼吸はゆっくりとなります。この時、副交感神経が働いてます。

人間は交換神経が優位になり緊張すると呼吸が早くなります。逆に副交感神経が優位になりリラックスすると呼吸がゆっくりになる傾向があります。このように心理面の変化が自律神経に影響を与え、呼吸にも変化を与えます。

逆に呼吸を用いて自律神経をコントロールすることもできます。呼吸を意識的に速めることで交換神経を優位にして気分を高揚させることができます。格闘家の中には試合直前に故意に速い呼吸をすることで気持ちを高め、テンションを上げる人もいます。これは試合に向けて気持ちを昂らせるための方法です。

逆に、意識して呼吸を遅くすることで副交感神経を優位にして気持ちを静め、興奮を抑えることができます。人生を左右するような試験前に深呼吸を行うのもこのためです。

要するに、呼吸を意識的にコントロールすることで、心の状態を間接的にコントロールできるのです。

プラーナを取り込む

プラーナを取り込む

プラーナとは、生きている全てのものの生命エネルギーを指します。これは中国思想で言う「気」と同様の概念であり、ヨガの考えでは私たち生き物の生命活動はプラーナが存在するおかげで成り立っています。

このプラーナは、空気、水、食物、光などの中に存在しており、これらの要素が一つでも不足すると生命活動は難しく、不可能になります。

ヨガの呼吸法では、空気中のプラーナを体内に取り込むことが重要です。これによって体内でプラーナが駆け巡り、生命力に満ちた身体を維持できます。

また、プラーナの流れを意識的に調整することで、身体や精神の健康を向上させることも可能です。ヨガの瞑想や体操は、このプラーナの流れを促進し、バランスを取る手助けをします。

緊張したり、ストレスが溜まったりすると、プラーナの流れが阻害され、体調が崩れることがあります。ですから、定期的なヨガや瞑想の練習は、プラーナを活性化させ、健康な生活をサポートします。

まとめ

今回は呼吸の効果について解説しました。呼吸の効果として

まとめ
  • 姿勢の安定化
  • 脊柱の動きを促通
  • 自律神経のコントロール
  • プラーナを取り込む

という効果があります。ヨガをする時にこれらの効果を意識することでより良いワークができるはずです。

プロフィール
kushimotomisao

串本 操/ヨガ・ピラティスインストラクター広島県広島市出身。全米ヨガアライアンスRYT200 ポールスターマットピラティスインストラクターの資格を取得。
現在、広島市内の整形外科で勤務。「ヨガ・ピラティスのメソッド」と「15年以上実務から得た経験と知識」を活かした運動指導方法でリハビリ業務やグループレッスンをしています。保育園でのキッズヨガ、アスリートへのコンディショニングヨガ、高齢者向けのシニアヨガと転倒予防教室など老若男女問わずそれぞれのニーズに適した運動指導を得意としています

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