本を読んでいたら脊柱のカップリングモーションって言葉が出てきたんですけどなんですかこれは。
脊柱カップリングモーションは脊柱が一つの動きではなく連動して違う動きも行われること!これを知っていたらより効果的なヨガになるよ!
脊柱カップリングモーションはLovettが提唱した概念です。簡単に言うと脊柱の組み合わせの運動のことを言います。
脊柱カップリングモーションってなに?
脊柱は、小さなブロックが何個も積み重なって構成されています。頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個が脊柱を形成しています。この脊柱は基本的に3つの方向に動くことができます。こんな感じですね
脊柱はこれらの3つの方向に動く仕様になっています。しかし、日常生活ではこれらの動きが複雑に組み合わさっています。
例えば、身体を捻って後ろの物を取る際、単純な回旋運動だけでなく、身体を伸ばす動きや横に倒す動きも同時に行われています。このように、脊柱の異なる運動が組み合わさることを「脊柱のカップリングモーション」と呼びます.
脊柱のカップリングモーションを知ると、ヨガ指導の幅が広がります. この知識を活用することでヨガの指導においてより効果的なものになるでしょう。
脊柱のカップリングモーションは、動きが複合的に組み合わさる現象を指します.
脊柱のカップリングモーションには、主に2つのパターンがあります:
- 回旋動作と側屈動作が同方向で起こる
- 回旋動作と側屈動作が逆方向で起こる
たとえば、身体を左に倒す動作をする際、その動作が左に捻る動作と同じ方向に行われる場合はパターン1になり、逆の方向に行われる場合はパターン2になります。基本的にパターン1は脊柱屈曲位、パターン2は脊柱伸展位で起こります 脊柱の屈曲位と伸展位によって、どちらのパターンが発生するかが異なります.
胸椎と腰椎では、動きが異なります。胸椎は自然に後弯(屈曲位)しており、脊柱を左に捻ると左側屈が生じます。腰椎は自然に前弯(伸展位)しているため、脊柱を左に捻ると右側屈が生じます. 胸椎と腰椎の動きを組み合わせることで、直立した状態で綺麗な捻る動作が可能になります。
文字だけでは理解しにくいので実際にご自身の身体を動かしながらやると理解しすいです!
脊柱カップリングモーションを活用した指導方法
脊柱カップリングモーションの知識を活用する方法として、2つあります。1つ目が「レッスンの組み立て方」2つ目が「アライメントの修正」です。
レッスンの組み立て方
まず1つ目の「レッスンの組み立て方」です。身体を捻る動作が苦手な人向けのアプローチがあります。イメージは腰痛改善プログラムに参加している身体を捻る動作で腰が痛くなる人ですね。このような方には身体を捻るポーズを練習することで「正しく身体を捻る練習」「身体を捻る可動域改善」を図ります。
これを行うだけでも十分な効果を期待できますが脊柱カップリングモーションの知識を応用することができます。身体を捻るポーズを行うだけでなく、身体を横に倒すアーサナを組み合わせてトレーニングを行うことで身体を捻る動作を効果的に改善できます。両側の均等な動きを心掛けることが重要です。
レッスンメニューを考える際には、身体を捻る系アーサナと身体を横に倒す系アーサナを組み合わせてバランスよく身体を動かす事で効果が増してきます
串本先生のレッスンが背骨を各方向に動かすポーズを組み込んでいる理由がこれですね!
安全で効果的
2つ目は「安全で効果的」です。例えば、反り腰の人が三角のポーズをしたとします。三角のポーズは身体を横に倒すポーズですよね。
では身体を左側に倒す三角のポーズをイメージしてください。この時、反り腰の人が何も意識せずに身体を横に倒す動作を先ほどの理論に当てはめるとパターン2になります。
腰椎伸展位で左側屈をするので右回旋がカップリングで起きる
ということです。この伸展、側屈、反体側への回旋の3つを組み合わせた動きを最大限に起こすと腰椎の椎間関節に圧縮ストレスがかかります。これを何回も強引にやってしまうと腰痛の原因になるわけですね。
なのでアライメントを修正してあげることで腰痛のリスクを軽減させることができます。
次に野球の右投げピッチャーをイメージしてください。右投げの場合、投球動作は「脊柱の屈曲、左回旋」が起きています。
ではもし、元々右肩下りのアライメントの選手で脊柱屈曲-左回旋の動きを促通したい場合、どうすればいいでしょうか?先ほどの理論に当てはまるとパターン1を応用します。
なので脊柱の左側屈を促すようにします。右肩下りの場合、右広背筋の伸張性が制限されていることが多いです。
脊柱の左側屈の動きを出すことで広背筋をストレッチしてまずはアライメントを整えます。そこから脊柱左回旋の動きを促通することでカップリングが起きるので投球動作で脊柱から動きを出せることができますよね。
これは投球動作だけでなく一般の方でも「身体を片方に捻ると腰が痛い!」って人にも応用できます。
カップリングモーションの動きを理解することで身体を痛めるリスクを軽減し、効果的に指導できるようになります。
脊柱カップリングモーションの応用はヨガ指導者だけでなく理学療法士、柔道整復師、スポーツトレーナーにも必要になってきます
まとめ
今回は脊柱カップリングモーションについて解説しました. ヨガのレッスンメニューを構築する際に、この知識を活用して身体の調整と改善に役立ててみてください.
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